満蒙開拓団

「嗚呼 満蒙開拓団公式HP


満蒙開拓団とこの映画について・・・・・・・・・羽田澄子
私は旧満州の一部と見られていた関東州の大連に生まれ、小学校も女学校も旅順。そして戦後、引揚げてきました。しかし、同じ満州でも最南端の都会に暮らしていた私は、戦後、満州の奥地で起きていたことを知りませんでした。知ることになったのは1981年、「中国残留日本人孤児」の訪日調査がはじまり、さらに2002年に中国「残留孤児」国家賠償請求訴訟がはじまったことがきっかけでした。裁判がどうなるかと見守っている間に、中国東北地区の方正(ほうまさ)県にある「方正地区日本人公墓」のことを偶然知ることになりました。方正地区には、ソ連軍の満州進駐、日本の敗戦によって、満州の奥地から多くの開拓民が避難してきて、ここで数千人もの人が亡くなっているのです。「この人たちの遺骨をお墓に」と願った、ある残留婦人の思いを受け止めたのは中国の周恩来総理でした。周恩来の指示によって、中国方正県政府が建設したのが「方正地区日本人公墓」なのです。「お国のため」と送り込まれた満州移民は敗戦によって、遺棄されたも同然となりました。その体験者の多くはすでに亡くなっていますが、多くの方に取材し、日本の近現代史を振り返り、日中友好が大切であることを考えました。


満蒙開拓団とは
1931年の満州事変以後、日本政府の国策によって、中国大陸の旧満州内蒙古に入植させられた日本移民のこと。1945年の太平洋戦争敗戦までに送り込まれた開拓団員は約27万人と言われている。しかし、その内の約8万数千人が、ソ連敗戦、日本の敗戦によって、帰国できずに亡くなっている。


(2008年/日本/120分/自由工房)
演出 羽田澄子(ナレーター)