資料

  • 帰途で購入。

■門間貴志「朝鮮人と中国人のステレオタイプはいかに形成されたか」(141-162頁)

  • 日本映画で中国人を描く際には比較的、衣装・言語・料理・音楽・武術など、中国文化を容易に想起させる要素を盛り込むことが多い。中国人女性は時代設定を無視して旗袍(チーパオ)、いわゆるチャイナドレスを着ることが多い。男性であればナマズのようなヒゲを蓄えていることもある。助詞を除いた片言の日本語を中国語風の訛りで話し、「哎呀(アイヤー)!」を連発する。ラーメン(厳密には中国料理ではない)を食べ、銅鑼の音を多用した音楽が使われる。その最たるものは中華街である。内面的なことよりも外見的なイメージが優先される。もちろんその多くは現実の中国文化と大きな齟齬があり、ステレオタイプ化したイメージであることは言をまたない。またそのステレオタイプの多くは、ハリウッド映画で描かれているものと共通しており、日本映画もそこから多くのものを借用してきた(157-158頁)。
  • 料理(=ラーメン)と武術に触れてくれているのがありがたい!
  • 役割語」という語は出てこないが、それらしいことは書いてある。
  • 『人間の条件』『駅前飯店』『サイボーグ009』(藤村有弘)などのことも出てくる。用例の整理の参考にもなるだろう。
  • 朝鮮人と中国人の違いの考察が示唆に富む。


まんが学特講  目からウロコの戦後まんが史

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■第三章 まんがにおける「リアル」とは何か?

  • まんがの中では中国兵の首がすぽーんと飛びながら、「イタイアルヨ」って言いながら飛んでいく。しかし、手塚治虫はまんがの外で、焼けていく死屍累々を現実に見たわけでしょう。それはまんがのなかの「イタイアルヨ」とは違うわけだから、そこらへんはやはり何かあっただろうな(92頁:みなもと太郎氏の講義より【引用者注】)。
  • K書店でふと手に取った瞬間このページが出てきたので買った(私は用例探しの際こういうことが多々ある)。
  • 全体的に面白い。用例関係なくても勉強になる。
  • 「ざます言葉」のちょっとした分析は、「お嬢様言葉」とパラレルだと思えた。

中国映画のみかた (あじあブックス)

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  • (つづく)