此間日誌

  • 実習生再び来る*1。今回から教壇実習(=授業をやってもらう)。前回「人間はいいし、やる気もあるが、国語力がない」と書いたが―そんな偉そうなことを言うのはさすがにと思いながら、それでもそうとしか言えなくてそう書いたのだが―、そのとき判明した以上に「事態は深刻*2であることが判明。あくまでも悪い子なのではないが、調子(乗り)であるのは間違いなく、一度注意したぐらいでは「あ、すいません〜(笑)」ぐらいで反省も定着もしない(何というか、すごい)。私の指摘するトーンも、「いや、それはちょっとね…」→「うん、それはだめですよ。」→「だから、おかしいやろ。あかん。」と辛辣化している*3。そのせいではないが、最近2回、泣いた*4。泣きたいのはこっちなんですけど。というか、泣かす気もいじめる気もないんですけど。以下は、昨日の会話より。
    • 私:「まあ、済んだ分はしょうがないし、今の力でやるしかないから、とりあえず、今の時点での反省を日誌に箇条書きで書いてきてください。」
    • 実習生:「箇条書きって何ですか?」
  • 学校に来れない生徒に毎夜、自宅から電話している。意外に苦ではない、というか、けっこう楽しみの一つになってきた*5。ほんの1、2分とはいえ、相手もちゃんと毎回電話に出て、(聞けば)話をしてくれる。しかも地味に面白い奴であった。私の家族も毎回その様子を見守り、彼らなりに、親身にアドバイスしてくる。
    • 母:「あんた国語の教師やねんからさ、今度行くとき本とか貸したったら?」
    • 私:「そやなあ。けど、それもベタすぎてちょっと恥ずかしいけどな(笑)」
    • 妹:「でも、こんな時って文学にめっちゃ感動したりするんちゃうん? 何かええのんないかなあ」
    • 私:「…こういうとき素養のなさが現れるわ…(泣)」
    • 母:「こないだ読んでた『告白』は?」
    • 私:「あれ…引きこもりがキレて家族殺すからなあ*6
    • 妹:「去年、授業で太宰治とかやってなかった?」
    • 私:「あ…、『人間失格』やねんやんか」
    • 妹:「変な意味深になるな…そんなつもりなくても」
    • 母:「あんたが好きな本とかは?」
    • 私:「……松本清張? ……基本殺しとか……」
    • 一同:「……」
  • (結局、手塚治虫の漫画にしようかと思い至った。)
  • 保健体育のY先生(男性)がお休みになった代行で、2クラス分*7の男子の自習監督へ。事前に「体育なし。自教室待機」と知らされていた某クラス【国語では担当していない】の教室に入った瞬間は、一人の男子が上半身裸で教壇に立ち、黒板にめいっぱい性的な絵を描いて、「性教育とは…!!」と叫んでいたところであり、クラスは大爆笑となった。私が「はい、分かったから座りなさいね」と言ってそいつを座らせ、「体育委員さん、ちょっとお願いあるから前に来て」と呼ぶと、そいつが体育委員だった。制服をちゃんと着させてから、保健体育の先生に言付かった内容を伝える。同じことを伝えに、隣の某´クラス【国語でも担当している】へ向かうと、今度は皆一応座ってはいたが、妙にクスクス笑っていて様子がおかしいので、よーく見ると、一人足りなかった。しかもそれはいつも注意しているMくんであった。不自然に掛けられている窓側のカーテンを開けると、Mくんが「開けろ―!!」と張り付いていて、またクラス爆笑。おそらく、調子に乗って自らベランダに出て、隣のクラスで私が裸の体育委員と話している様子を偵察したあと、クラスメイトに裏切られカギを閉められたらしい。
    • 必死に弁解するMくん:「違うんすよ!違うんすよ!」
    • アホらしくて苦笑する私:「あんた何が違うの。反省してへんねやったらボール返しなさい」
    • 動揺するMくん:「反省してますよ!! 違うんすよ!!」
    • クラス一同:「ぎゃははは」

*1:テスト期間をはさんで同じ人が改めて来るかたちになっている

*2:私もすっかり日常語彙のなかに。

*3:周りの先生方に聞かれるの痛いなあ。

*4:実習生は大学4年生男子。

*5:上記の件で脱力して帰った日など(毎日)、むしろ癒し。

*6:読んでない方すみません!

*7:体育は、隣同士2クラスの男子+男子、女子+女子で行う。女子校出身の私は当初この方式に感心したものだったが、普通らしい。