グロテスクな父親

グロテスク 上 (文春文庫)

グロテスク 上 (文春文庫)

  • スイス人の中年男性【=主人公にとっては父親】が、その妻である日本人【=主人公にとっては母親】が亡くなったため、日本にいる娘【=主人公】に国際電話をかけてきた場面。平時は普通の日本語を話すが、取り乱す場面では、言葉の乱れも表現されている。
    • 「これから話すことにショックを受けられるかもしれませんですが、それは仕方がないことだ。我々も辛いと思いますが、皆、たえている状況なのだから、これは家族の悲劇だと思う」(略)しかも、日本を離れて生まれ故郷の言葉を喋っているせいか、日本語もなかり下手になっていました。(上・125頁)